たち【太刀/大刀】

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数え方(読み方)・単位

一本(いっぽん)、一振り (ふとふり) 、一口 (ひとふり) 、一口 (ひとくち) など

解説

⇒かたな(刀)

意味

①長大な刀の総称。短小の「かたな」に対していう。
*日本書紀〔720〕崇神六〇年七月・歌謡「や雲立つ 出雲梟師(たける)が 佩ける多知(タチ) 黒葛(つづら)多巻(さはま)き さ身無しにあはれ」
*万葉集〔8C後〕二・一九九「皇子ながら 任(よさ)し給へば 大御身に 大刀(たち)取り帯(は)かし〈柿本人麻呂〉」
 
②刃を下に向けて腰につり下げる長大な刀の称。刃を上に向けて帯に差す「かたな」に対していう。儀仗の太刀、兵仗の太刀それぞれに各種類がある。
*宇津保物語〔970〜999頃〕あて宮「たちを抜き、きらめかして、かたはしより追ひはらひて」
*源氏物語〔1001〜14頃〕夕顔「うたて思さるれば、たちを引き抜きて、うち置き給ひて」
*色葉字類抄〔1177〜81〕「大刀 タチ 似釼而一刃曰刀」
*米沢本沙石集〔1283〕七・一二「膝の下に太刀ねぢかいて居たりければ」
*太平記〔14C後〕二・長崎新左衛門尉意見事「我は元来太刀も刀も持ず、只人の太刀を我物と憑(たのみ)たるに」
*日葡辞書〔1603〜04〕「Tachiuo (タチヲ) ハク」
*読本・椿説弓張月〔1807〜11〕続・四一回「太刀(タチ)の刃の続ん程は、思ふままに防ぎ戦ひ」
 
③「たちうお(太刀魚)(1)」の略。
*弘治二年本節用集〔1556〕「〓(タチイヲ)〈略〉剣魚(タチ)」
*日葡辞書〔1603〜04〕「Tachi (タチ)〈訳〉魚の一種」

語源

①「十巻本和名抄‐五」の記載によると、「たち」は片刃の大刀、「かたな」は片刃の小刀、「つるぎ」は両刃のものを指したらしいが、「たち」と「つるぎ」の違いは、上代では「倶娑那伎能都留伎(くさなきのつるき)」〔書紀‐神代・上〕とも「草那芸之大刀(くさなぎのたち)」〔古事記‐上〕ともいい、「東大寺献物帳」でも必ずしも両刃・片刃によって区別していないことなどからみると、上代では、「たち」は両刃・片刃にかかわらず長刀を総称していったものらしい。
 
②「たち」と訓まれるものには「大刀」のほかに「横刀」があって、両者は書き分けられたようであるが、横刀は、正倉院の遺物から検討すると、刃渡りが短く、相対的に横幅の広いものを指すとみられる。
 
③平安時代以降、反刀(そりがたな)が用いられるようになるとともに、「たち」は「大刀」から「太刀」と書かれるようになり、さらに近世以降は、刃を上にして帯にさす打刀が流布し、その二腰を大刀・小刀と称したので、それとの混同を防ぐため、「たち」は太刀と書くのが慣例になった。

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