たに【谷/渓/谿】

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数え方(読み方)・単位

一つ(ひとつ)、一渓 (いっけい)

解説

文語では、谷を「渓」で数えることがあります。谷が非常に深いことを「千尋 (せんじん) の谷」と表現します。「尋 (じん) 」は長さの単位です。

意味

①地表に見られる細長いくぼ地。成因によって河谷・氷食谷などの浸食谷と断層谷・向斜谷・背斜谷などの構造谷に分ける。形態的には山脈に平行な谷を縦谷、山脈を横断する谷を横谷という。

*古事記〔712〕上・歌謡「御統(みすまる)に 穴玉はや み多邇(タニ) 二渡らす あぢしき 高日子根の神そ」
*万葉集〔8C後〕一四・三五〇七「多爾(タニ)狭み嶺にはひたる玉葛絶えむの心わが思はなくに〈東歌〉」
*十巻本和名類聚抄〔934頃〕一「谿谷 爾雅注云水出山入川曰谿〈古奚反 字亦作渓也 和名太邇 下同〉」
*枕草子〔10C終〕四一・鳥は「山鳥、友を恋ひて〈略〉谷へだてたる程など、心ぐるし」
*名語記〔1275〕四「地のふかく くつれいりたるをたにとなつく、如何。答、たには谿也。谷也」
*光悦本謡曲・女郎花〔1505頃〕「岩松そばだって、山そびえ谷廻りて諸木えだをつらねたり」
 
②波形のくぼんだ所。また、二つの屋根の斜面がながれて合する所などをいう。
*紙上蜃気〔1758〕「谷 タニ」
*物理学術語和英仏独対訳字書〔1888〕〈山口鋭之助〉「Tani(Nami). Trough 〈略〉谷」
*電車の混雑に就て〔1922〕〈寺田寅彦〉「私は何時もかうした混雑の週期的な波動の『峯』を避けて『谷』を求める事にして居る」
 
③同じ世界に住む仲間。連中。社中。
*浮世草子・当世芝居気質〔1777〕一・二「たがひに喰合ひそしりあふが此谷(タニ)のならはせなり」
 
④楊弓・大弓で、銭(ぜに)を賭物(かけもの)にするときの八銭。また、一般に「八」の数をいう俗語。
*類聚名物考〔1780頃〕調度部一五・財貨「所務的(今の矢代的也)に銭を賭物にする時の辞有り〈略〉八銭、山、おすか或谷(タニ)、鎌倉の方言に谷をやつといふ故に八の訓にかよへる故なり」
 
⑤(山に対して)学生仲間で、試験に出そうもない部分をいう語。

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