てがた【手形】

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数え方(読み方)・単位

一通(いっつう)、一枚 (いちまい) 、一つ(ひとつ)

解説

証券手形は「通」「枚」で数えます。紙に押した手形は「枚」「つ」でも数えます。

意味

①手の形。てのひらに墨などを塗って押しつけた形。手を押しつけてついた形。
*浮世草子・西鶴諸国はなし〔1685〕五・四「背中に鍋炭(なべすみ)の手形(テガタ)あるべしと、かたをぬがして、せんさくするにあらはれて」
*雑俳・花の香〔1744〕「ころんだる・手形ありあり庭の雪」
*読本・椿説弓張月〔1807〜11〕後・一八回「弘法大師の作なる観世音の尊像〈略〉裏に弘法の手形(テガタ)ありて」
 
②手で書いたもの。手跡。筆跡。書。
*譬喩尽〔1786〕五「手形(テガタ)は残れど足形は不〓残(のこらず) 手跡は後世に留まるなり」
 
③昔、文書に押して、後日の証とした手の形。
*浄瑠璃・日本振袖始〔1718〕一「繙(ひぼとく)印の一巻八座(くら)の机にさらさらと、くりひろげてぞ叡覧有、異類異形の鬼神の手形、鳥の足、蛇の爪」
 
④印判を押した証書や契約書などの類。金銭の借用・受取などの証文や身請・年季などの契約書。切符。手形証文。また、それらに押す印判。
*虎明本狂言・盗人蜘蛛〔室町末〜近世初〕「手形をたもるのみならず、酒までのませ給ひけり」
*俳諧・毛吹草〔1638〕五「書初は春を請とる手形哉〈勝俊〉」
*狂言記・胸突〔1660〕「御手前のてがたでおぢゃる。〈略〉その身どもが名はんの所をひきさかっしゃれて下され」
*俳諧・大坂独吟集〔1675〕上「はたちばかりの年切ぞをく 手形にもたしかに見ゆる力こぶ〈西鶴〉」
*浮世草子・西鶴織留〔1694〕一・二「よろづの売掛、あるひは当座借の金銀、手形(テガタ)なしの事なれば」
*浄瑠璃・山崎与次兵衛寿の門松〔1718〕下「吾妻は爰にゐられずとも手形なりとも身請がしたい」
*読本・昔話稲妻表紙〔1806〕三・一一「母さまの手形(テガタ)をすゑて証書を渡し、百両の金をうけとり」
 
⑤一定の金額を一定の時期に一定の場所で支払うことを記載した有価証券。支払いを第三者に委託する為替手形と、振出人みずからが支払いを約束する約束手形とがある。もとは小切手をも含めていった。
*経済小学〔1867〕上・為替「悉尼(シドニー)より来れる千金の手形倫敦にて千金に通用し」
*商法(明治三二年)〔1899〕四三四条「本法に於て手形とは為替手形、約束手形及ひ小切手を謂ふ」
*千鳥〔1959〕〈田中千禾夫〉三幕「仕入れに金のいるし、手形は切らにゃならず」
 
⑥江戸時代、庶民の他国往来に際して、支配役人が旅行目的や姓名、住所、宗門などを記して交付した旅行許可証と身分証明書を兼ねたもの。往来手形。関所札。
*御触書寛保集成‐二・元和二年〔1616〕八月「定船場之事 〈略〉一、女人手負其外不審成もの、いつれの舟場にても留置、〈略〉但酒井備後守手形於在之は、無異儀可通事」
*浮世草子・万の文反古〔1696〕四・三「口々に番所きびしく出入の者に手形(テガタ)の吟味きびしく候へば」
*随筆・西遊記(新日本古典文学大系所収)〔1795〕一〇・絵踏「肥前国嶋原領を通りし時は、所々に改め番所有て、手形を取替、番所よりも添手形杯を渡し」

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