てんしん/てんじん【点心】

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数え方(読み方)・単位

一個(いっこ)、一粒 (ひとつぶ) 、一品 (ひとしな) 、一品 (いっぴん) 、一皿(ひとさら)

解説

シューマイやギョーザなどの中華飲茶 (ヤムチャ) の食べ物のことで、「個」で数えます。ひと口で食べられる小さいものは「粒」でも数えます。蒸した蒸籠 (せいろ) を用いるため、1人前を「ひと蒸籠 (せいろ) 」と数えることもあります。

意味

①(腹心に点加する意)正午の昼食の前に、一時の空腹をいやすための少量の食事。転じて、禅家では、昼食の意に用いる。

*正法眼蔵〔1231〜53〕心不可得「もちひをかふて点心にすべし」
*米沢本沙石集〔1283〕一〇末・一二「さて点心なんどする時は堂僧とて一人の僧にはくわせざりけり」
*咄本・籠耳〔1687〕一・七「侍は中食といひ、町人は昼食といひ、寺がたには点心(テンジン)と云」
*譬喩尽〔1786〕五「点心(テンジン)の物にせん 沙門之斎非時之飯後詰之食物也。餠之類用之」
*音訓新聞字引〔1876〕〈萩原乙彦〉「点心 テンシン アイダグヒ」
 
②中国料理で、軽食風の料理や菓子。転じて、茶うけの菓子。茶の子。茶菓子。
*太平記〔14C後〕三三・公家武家栄枯易地事「面五尺の折敷に十番の斎羹点心(テンジン)百種五味の魚鳥、甘酸苦辛の菓子共、色々様々に居双ベたり」
*庭訓往来〔1394〜1428頃〕「点心者、水繊、紅糟、〈略〉砂糖羊羹、饂飩、饅頭」
*虎明本狂言・饅頭〔室町末〜近世初〕「まんぢう共申、てんぢんとも申て、うへつかたのおしうも参るものでござる」
*蝮のすゑ〔1947〕〈武田泰淳〉一「黒い重箱に入った中国式の点心を出した」

語源

①一三世紀初頭、禅宗と共にもたらされた習慣の一つで、空腹を感じたときとりあえず摂取する、いわば中国式軽食である。「尺素往来」「庭訓往来」を見ると、羹類、麺類、粥類、饅頭類が当時の代表的なものであったことがわかる。
 
②は挙例「虎明本狂言・饅頭」により、室町末頃には一般に広まっていたこと、饅頭がその代名詞ともなっていたことがうかがえる。
 
③近世には、①の挙例の「咄本・籠耳」に見られるように昼食の意味に用いられるようになった。しかし「朝夕の飯の間に、うんどん又は餠などを食ふを、いにしへは点心と云、今は中食(ちうじき)又むねやすめなどといふ」〔随筆・貞丈雑記‐六〕のように、次第に中食・昼食という言い方に統一されていったようである。
 
④その一方で昼食にならないような甘いものをいう(2)は茶の子・茶菓子とも称されたが、「類聚名物考‐飲食部四・総類・雑品」では「点心 てんしん 俗に云ふ茶子なり 飯粥の類ひにはあらで、菓子の類にて心を点改する故なり」と、甘いものだけを点心としている。
 
⑤現代の日本語では、「点心」は中国料理におけるスナック風の料理(饅頭・焼売・餃子・包子などと菓子類)をもっぱら指す。

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