てすり【手摺り】

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数え方(読み方)・単位

一本(いっぽん)

解説

意味

①(すがって手で摺(す)るものの意)橋や回廊などの欄干の上や、階段にそって壁にとりつけた横木や柵。
*諸国風俗問状答〔19C前〕三河国吉田領風俗問状答・正月・三一「神楽あり。〈略〉鼻高と云物出来りて、拝殿に至て拝し終て手摺の中に入る」
*人情本・春色梅児誉美〔1832〜33〕初・六齣「階子(はしご)の手(テ)すりの際に寄せありし衝たてを」
*雪中梅〔1886〕〈末広鉄腸〉下・二「今脱ぎしと見えし衣裳を欄干(テスリ)にかけ」
*浮雲〔1887〜89〕〈二葉亭四迷〉二・七「お勢が嬌面(かほ)に袖を加(あ)てて、勾欄(テスリ)におっ被さって笑ひ出したので」
*抱擁〔1973〕〈瀬戸内晴美〉三「千本格子の煤けた黒い手すりがぐるっと囲んだ、大きな二階家の」
 
②(「てずり」「ですり」とも)人形芝居の舞台前面に、人形遣いの腰から下を隠すために設けたしきり。舞台から客席まで三段にしきられ奥から(現在では手前から)一の手(本手)・二の手・三の手と呼ぶ。
*俳諧・芭蕉真蹟懐紙‐時節嘸歌仙〔1676〕「雨や黒茶を染て行覧〈芭蕉〉 消残る手摺の幕の夕日影〈杉風〉」
*浮世草子・傾城色三味線〔1701〕鄙・四「まだ手摺(てスリ)さへ掛ぬうち、七ツ道具の売ぐいとは、きっさきのわるいかんばん」
*随筆・本朝世事談綺〔1733〕三・態芸門「辰松は人形に手練し、上下を着し、手摺(デスリ)をはなれて」
 
③転じて、その人形芝居、または人形遣いのこと。
*浮世草子・当世芝居気質〔1777〕一・二「さうかたっては人形がつかはれぬ、きつい下手じゃと手摺(テズリ)からくい立る」
*洒落本・虚実柳巷方言〔1794〕中「てすりとは操(あやつり)の楽屋人形つかひの事也」
*俚言集覧〔1797頃〕「手摺 偶人(でく)を遣ふをいふ」
*滑稽本・浮世床〔1813〜23〕二・上「づるかぢり(さみせんひき)や、手すり(人形つかひ)へ廻って」

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