ちり/チリ【塵】

《スポンサードリンク》
 

数え方(読み方)・単位

一つ(ひとつ)、一本(いっぽん)、一葉 (いちよう)

解説

何も落ちていない状態を「塵一つ落ちていない」といいます。塵を雅語的に数える際、「本」「葉」を用います。

意味

①粉末状や粒子状になってとびちるもの。くだけてとびちるもの。ほこり。
*日本書紀〔720〕継体二二年一一月(寛文版訓)「埃塵(チリ)相ひ接(つ)けり機(はかりこと)を両の陣(いくさ)の間に決めて」
*十巻本和名類聚抄〔934頃〕一「塵埃〈略〉孫云塵埃〈陣哀二音 和名知利〉揚土也」
*宇津保物語〔970〜999頃〕藤原の君「たびごとに空にたちゐるちりなれや露ばかりにも浮かぶなるかな」
*平家物語〔13C前〕一・祇園精舎「たけき者も遂にはほろびぬ、偏(ひとへ)に風の前の塵に同じ」
*名語記〔1275〕三「微塵とて極てちひさきあり〈略〉ちりはあまりにちひさくて、木金をもとほるといへり」
*蓬曲〔1891〕〈北村透谷〉三・二「粉末(こな)にして、細塵(チリ)になして、地下に投ふぞ」
 
②小さなごみ。あくた。
*枕草子〔10C終〕一五一・うつくしきもの「二つ三つばかりなるちごの、いそぎてはひ来る道に、いとちひさきちりのありけるを目ざとに見つけて」
*名語記〔1275〕三「塵をはく、如何。はくは掃也」
*浄瑠璃・鑓の権三重帷子〔1717〕上「櫛笥鏡台片付てちり掃く羽の二つ羽も、比翼の悪縁底深き」
*小学読本〔1873〕〈榊原芳野〉一「箕は穀の塵を去る器なり 楮皮を割て経とし小竹を緯として織造る」
 
③ねうちのないもの。とるにたらないもの。→塵の身。
*新撰菟玖波集〔1495〕秋・上「ちりならぬ身もただ夢のうち 蝶のゐる花の常夏秋かけて〈専順〉」
*俳諧・七番日記‐文化七年〔1810〕一月「蝶とんで我身も塵のたぐひ哉」
 
④よごれ。けがれ。また、くもり。汚点。
*新古今和歌集〔1205〕釈教・一九二六「にごりなきかめ井の水を結びあげて心のちりをすすぎつる哉〈上東門院〉」
*仮名草子・恨の介〔1609〜17頃〕上「かの姫をちりをもつけじ荒き風にもあてじといとをしみ」

語源

チリ(散)の義〔和句解・日本釈名・志不可起・東雅・俚言集覧・言元梯・名言通・和訓栞・大言海・日本語源=賀茂百樹・音幻論=幸田露伴〕。チリバヒ(散乱)の下略〔日本語原学=林甕臣〕。

《スポンサードリンク》
 



数え方人気 [TOP50]ビジネス文書数え方
季節用語の数え方名数一覧(1~100)