数え方(読み方)・単位
一本(いっぽん)、一筋 (ひとすじ) 、一条 (いちじょう)
解説
⇒みち(道)
意味
①道などに沿って過ぎて行くこと。通行すること。
*謡曲・遊行柳〔1516頃〕「昔はこの道なくして、あれに見えたるひと叢(むら)の、森のこなたの川岸を、お通りありし街道なり」
*説経節・説経苅萱〔1631〕下「おあひあっては御ざあれど、をやがことも御ぞんじなし、こがまたおやともゑみしらず、ゆきちがふてをとをりあるか」
*咄本・軽口御前男〔1703〕一・一七「町々に殿様御とをりとて置土をしけるに」
②道などを、人々が行ったり来たりすること。往来。ゆきき。人通り。
*俳諧・続猿蓑〔1698〕上「鶏があがるとやがて暮の月〈芭蕉〉 通りのなさに見世たつる秋〈支考〉」
*浄瑠璃・平家女護島〔1719〕三「今日はいつより通りがうすい」
*和英語林集成(初版)〔1867〕「ヒトノto〓ri (トウリ)ガ オウイ」
*鳥影〔1908〕〈石川啄木〉二・一「通行(トホリ)少き青森街道を」
③人や車などの通行する道。
*たまきはる〔1219〕「少納言殿といふ老尼の、かたはらいたしと思て、とほりに立ちて、まねきさわぎしがをかしけれど」
*談義本・根無草〔1763〜69〕一「紫雲の逵肩輿(つじかご)通りに遮(さへぎ)り」
*滑稽本・浮世床〔1813〜23〕二・下「格子から半身見せて往来(トホリ)の人を張居(はって)る娘だ」
*当世書生気質〔1885〜86〕〈坪内逍遙〉二「得たりと此方は一生懸命、通街(トホリ)の方へと、迯(にげ)ぬけつつ」
*尋常小学読本(明治三六年)〔1903〕〈文部省〉四・五「銀座通りといふ、にぎやかなとほりがあります」