つぼ【壺】

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数え方(読み方)・単位

①一個(いっこ)、一口 (いっこう) 、一点(いってん)、一客(いっきゃく)、一壺(ひとつぼ)
②一つ(ひとつ)

解説

①「口」は鍋 (なべ) や壺などの器具を数える語です。作品としての壺は「点」、日本料理店などで用いる深く小さな器は「客」でも数えます。

②鍼灸 (しんきゅう) のつぼや急所は「つ」で数えます。
⇒ようしょ(要所)

意味

(古くは「つほ」)えぐれていて物を入れたり、さしたりする器状のもの。つふ。
 
①口がつぼんで胴のふくれた容器。陶製、金属製、木製などがあり、形や大きさも用途に応じて種々ある。
*法隆寺伽藍縁起并流記資財帳‐天平一九年〔747〕(寧楽遺文)「白銅壺参合 一口径三寸一分深三寸七分」
*万葉集〔8C後〕三・三四三「なかなかに人とあらずは酒壺(つほ)に成りにてしかも酒に染(し)みなむ〈大伴旅人〉」
*竹取物語〔9C末〜10C初〕「つほなる御薬たてまつれ」
*浄瑠璃・近江源氏先陣館〔1769〕五「後肩殿はあの壺から、お指図次第に呑んだがよい」
*雑俳・柳多留‐一八〔1783〕「気の毒さあくる日土手でつほにあひ」
 
②深くくぼんだところ。穴。
*日本書紀〔720〕神功六二年(熱田本訓)「比跪、免れざるを知りて石穴(いはツホ)に入りて死ぬ」
*丹後守為忠百首〔1134頃か〕春「小山田のたなゐのつぼに水すみぬはや種おろせ時過ぎぬまに〈藤原為盛〉」
*愚管抄〔1220〕五・高倉「それへもて行て、『かかる事こそ候へ』と告ければ、その返事をばいはで、布ばかりをばとりてつぼにて焼捨て後、京に上りて」
 
③「つぼざら(壺皿)」の略。
*浮世草子・好色五人女〔1686〕二・五「近所の出入のかかども集り、椀家具・壺(ツボ)・平・るす・ちゃつ迄取さばき、手毎にふきて膳棚にかさねける」
*浄瑠璃・夕霧阿波鳴渡〔1712頃〕上「いやいや平でもつぼでも此の方支度ようござると」
*小学読本〔1874〕〈榊原・那珂・稲垣〉二「深くして高きを、壺と称ふ、壺皿の畧なり」
 
④博打(ばくち)で采(さい)を伏せてかくす器。壺皿。壺笊。壺椀。
*雑俳・柳多留‐四〔1769〕「川どめに碁ばんの外はつぼをかり」
 
⑤栄螺(さざえ)や田螺(たにし)などの石灰質の殻。「さざえの壺焼」
 
⑥(匏)笙の管をたてるところ。
 
⑦掛けがねを受ける留めがね。つぼがね。また、ホックなどの凹型のほう。
*太平記〔14C後〕一五・正月二十七日合戦事「板の端に懸金と壺(ツボ)とを打て」
*家庭袋物細工全書〔1915〕〈中村興湖・村井秋翠〉「ホックは壺(ツボ)と疣との二つの部分から成立ち」
 
⑧「つぼやなぐい(壺胡)」の略。

*満佐須計装束抄〔1184〕二「大将のずいじんなどの御びんなどに召さるるには〈略〉つぼにてもやなぐゐにても」

*増鏡〔1368〜76頃〕一〇・老のなみ「為道朝臣、縫腋(もとをし)の袍に、つぼ負いて、弓に懐紙をとり具して〈略〉文台の上におく」

(9)「すみつぼ(墨壺)」の略。

*文明本節用集〔室町中〕「墨斗 ツボ 番匠道具」

*日葡辞書〔1603〜04〕「ダイクノTçubo (ツボ)」

*仮名草子・浮世物語〔1665頃〕二・三「鉄曲子(くろがね)の物差、墨斗(ツボ)・筈刺の積を以て大仏殿をも造り立つるぞかし」

(10)(「壺を被(かぶ)る」の略)

(イ)失敗。あやまり。心得ちがい。

*浄瑠璃・山城国畜生塚〔1763〕四「知らぬ顔ばっかりの悪間へ往たら大きな壺(ツボ)」

*浄瑠璃・恋娘昔八丈〔1775〕「あの娘を彼奴(あいつ)が女房に、ヤこいつはつぼぢゃ」

(ロ)損失。損害。

*浄瑠璃・新版歌祭文(お染久松)〔1780〕油屋「おやまの肝癪で呼屋を踏とは大きなつぼ」

*浮世草子・当世宗匠気質〔1781〕三・一「遠い所を二度まで、ゑらいつぼであった」

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