つえ【杖】

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数え方(読み方)・単位

一本(いっぽん)

解説

参考までに棒について、「本」以外に片手で握れる棒は「把」でも数えます。
⇒ぼう(棒)

意味

①竹や木などで作り、手に持ち地面について、歩行のたすけとする棒。じょう。
*古事記〔712〕中「爾に其の御杖(つゑ)を、新羅の国主の門に衝き立てて」
*名語記〔1275〕四「老人のつけるつゑ如何。答、つゑは杖也」
*浮世草子・近代艷隠者〔1686〕二・四「興有事よと心をとめ、(ツエ)に小話(ささやき)、笠にわらひ」
 
②たよりとするもの。補佐するもの。
*日本書紀〔720〕垂仁二五年三月(熱田本訓)「一に云はく、天皇倭姫命を以て御杖(みツヘ)と為て」
*俳諧・毛吹草〔1638〕五「そだてては杖(ツエ)とも頼桑子哉〈秀重〉」
*二人女房〔1891〜92〕〈尾崎紅葉〉下・五「老の杖(ツヱ)となるのは周三ぐらゐの事は隠居も心得てゐる」
*やみ夜〔1895〕〈樋口一葉〉三「母と祖父との恨みを負ひて誰れにか談合(はか)らん心一つを杖(ツエ)に出し都会に」
 
③杖罪(じょうざい)の者を打つ刑具で、長さ一メートルぐらいの竹の節目をけずりとったもの。
*十巻本和名類聚抄〔934頃〕五「杖 唐令云諸杖〈音仗 都恵〉皆削去節目長三尺五寸許」
*俳諧・広原海〔1703〕「一文の餠喰ひ迯に杖二百」
 
④小正月の粥(かゆ)を煮る時、かきまわす棒。粥杖(かゆづえ)。粥の木。
*弁内侍日記〔1278頃〕建長三年正月一二日「御所にはつえを御ふところに入てもちてわたらせおはしまし」
  
⑤梨(なし)の実のほぞ。
*慶長見聞集〔1614〕六「梨の杖とは、ほそなり梨をむくに、頭の方よりむきて杖をのこす法也。人にたぐへては梨のごとく杖突とも云へり」
 
⑥長さや面積を表わす単位。
(イ)古代の長さの単位で後世の一丈(約三メートル)に近い長さ。

*日本書紀〔720〕景行二年三月(北野本訓)「日本武尊(やまとたけ)と曰(まう)す〈略〉壮(おとこさかり)に及んで容貌(みかを)魁偉(すぐ)れたまえり身長(みのたかさ)一丈(ひとツエ)、力(みちから)能(よ)く鼎(かなえ)を扛(あ)げたまふ」
*法華義疏紙背和訓〔928頃か〕「七刃(ツ恵 七尺ツ恵曾)」
*読本・春雨物語〔1808〕樊上「松の木の一つえあまりなるを根ぬきにして振りたてて見する」
 
(ロ)弓一張(ひとはり)の長さ。弓杖の長さで 七尺五寸(約二・三メートル)のこと。

*家中竹馬記〔1511〕「あづちの有るには、堋より幾杖と打て、弓立の遠さをも定むるなり」
*浄瑠璃・大磯虎稚物語〔1694頃〕馬揃へ「四足を縮むれば方寸の盤に立ち、伸ぶれば弓杖五つえ六つえひら、ひらり飛ぶこと飛鳥の如くと聞へけり」

(ハ)中世、田積の単位で普通一段の五分の一(七二歩)をいう。各地で用いられた単位であるが、特に九州地方全域で用いられた。また、伊勢国などの地方では一段の六分の一(六〇歩)の地積をあらわすこともある。じょう。

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