つがい【番い】

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数え方(読み方)・単位

一組 (ひとくみ) 、一番 (ひとつがい)

解説

「番」はふたつでひと組のもの、つがいを数える語です。助数詞・単位の「番(つがい)」は、鳥の雌雄のように、常に連れ立っているペアを数えます。

意味

動詞「つがう(番)」の連用形の名詞化)
 
〔一〕複数のものが組になること。組むこと。また、そのもの。

①二つのもの、あるいは複数のものが、組み合うこと。また、そのものや人。組。

*法華義疏長保四年点〔1002〕一「文に四の句有り。合せて両の双(ツカヒ)と為」
*讃岐典侍日記〔1108頃〕下「もとの人々御つかひにて殿の御声にてまんさいらく出せとて」
*太平記〔14C後〕一二・大内裏造営事「一度(こぶし)遊ばし候へとぞ被請ける。〈略〉番(ツカヒ)の逢手に立合て、雪の如なる膚を押袒(をしはだぬき)」
*日葡辞書〔1603〜04〕「Tçugaiga (ツガイガ) ハナレタ〈訳〉一つになっている二つのものが離れる」
 
②動物の雄と雌一対。

*源氏物語〔1001〜14頃〕胡蝶「水鳥どもの、つかひを離れず遊びつつ、細き枝どもをくひて飛びちがふ」
*栄花物語〔1028〜92頃〕岩蔭「憂き身を歎くをしどりの、つがひ離れて夜もすがら」
*根岸草盧記事〔1899〕〈正岡子規〉「今年の春、又虚子から生ける鶉の番ひをもらふた」
 
③夫婦。めおと。
*俳諧・西鶴大矢数〔1681〕第一九「重湯さへめしを喰してたまらうか 番の袖乞あはれ世の中」
 
④組になっているものの一員、または相手。
*梁塵秘抄口伝集(日本古典全書所収)〔12C後〕一〇「常にありし者を番(つがひ)に置いて、我は夜昼相具して唱ひし時もあり」
 
⑤組になっているものが順次交代で事を行なうこと。
*大智度論平安初期点〔850頃か〕「此の二種は、常に番(ツカヒ)に休みて上り下る」
*釈日本紀〔1274〜1301〕一八「医(くすし)の博士、易(やく)の博士、暦の博士等(とも)に宜しく番(ツカヒ)に依(よ)りて上(まうて)き下(まか)らしめよ」
 
⑥「つがいまい(番舞)」の略。
*歌品目〔1818〜22頃〕九「番 ツガヒ 左の舞一曲に、右舞一曲づつ奏するを一番と云」
 
 
〔二〕組み合わさっているものの、つながっている部分。
 
①つなぎ目の部分。合わせめ。また、前後、順序あるものなどのつなぎ目。区切れ目。
*申楽談儀〔1430〕勧進の舞台、翁の事「声合する所々は〈略〉ばらばらなるは悪し。よくよく故事をめぐらし、つがゐを守るべし」
 
②骨の関節。
*文明本節用集〔室町中〕「節 ツガイ 骨節」
*滑稽本・七偏人〔1857〜63〕五中「腰のつがひががっくりと寛(ゆる)んで些(ちっと)も立れねば」
*三四郎〔1908〕〈夏目漱石〉一〇「肘の関節(ツガヒ)を表から、膝頭で圧(お)さへてゐるらしい」
 
③事をしようとする、ちょうどその時。また、機会。
*玉塵抄〔1563〕一〇「いかな鬼のやうな丈夫の孟嘗君もなみだをまつげにうかべてしたえほろりとおちぬつがい、一声ことをひいたぞ」
*日葡辞書〔1603〜04〕「Tçugai (ツガイ)〈訳〉比喩。好機。例、Tçugaiuo (ツガイヲ) ミテ マウサウズ」
*ロドリゲス日本大文典〔1604〜08〕「アゲタtçugaini (ツガイニ)」
*虎明本狂言・三人片輪〔室町末〜近世初〕「奉公に参って、よきつがひに、なんぞしてのかふと存じ」
*咄本・醒睡笑〔1628〕一「剃りはてんとするつがひに、ふと立ち」
 
④「つがいぎ(番木)」に同じ。
*日葡辞書〔1603〜04〕「Tçugai (ツガイ)〈訳〉船中にある幾本もの木のことで、トマ(苫)と呼ばれる筵で日除けを作るために組み立てるもの」
*和泉流船作事書〔17C中頃〕「諸木入用之品類…番ひ、笘、水竿、はしらかし、右之外品類多し」
*和漢船用集〔1766〕一一・用具之部「番(ツカイ) 合類節用につかひと読せり。左右合て云の名也」

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