つの【角】

《スポンサードリンク》
 

数え方(読み方)・単位

一本(いっぽん)、一角 (いっかく)

解説

意味

①特に反芻類などの動物の頭上にある堅い角質または骨質の突出物。主に攻撃や防衛に用いる。雄性の性徴であることも多い。鬼・雷神などにも生えているという。

*日本書紀〔720〕雄略即位前(前田本訓)「今近江の来(く)田綿(わた)蚊屋(かや)野に猪(ゐ)鹿多(さは)に有(あ)り。其の戴(ささけたる)角(ツノ)、枯樹の末(えた)に類(に)たり」
*万葉集〔8C後〕四・五〇二「夏野行く小鹿の角(つの)の束の間も妹が心を忘れて思へや〈柿本人麻呂〉」
*二十巻本和名類聚抄〔934頃〕一八「角
*宇津保物語〔970〜999頃〕祭の使「思ふらんことは知られで夏の野につの落ちかはる鹿とこそ聞け」
*名語記〔1275〕四「鬼や獣におひたる、つの、如何。答、つのは角也」
*御伽草子・酒呑童子〔室町末〕「髪の間よりつの生ひて鬚も眉毛もしげり合ひ」
*小学読本〔1873〕〈榊原芳野〉一「牡は形大にして白き斑あり。其角夏月落て復生す」
 
②動物や昆虫などの頭部にある触角などの突起物。また、一般に、物の上または表面に突起したもの。

*神楽歌〔9C後〕小前張・蟋蟀「蟋蟀の 妬さ慨さ や 御園生に参りて 木の根を掘り食むで おさまさ 津乃(ツノ)折れぬ おさまさ おさまさ 津乃(ツノ)折れぬ」
*堤中納言物語〔11C中〜13C頃〕虫めづる姫君「かたつぶりのつのの、あらそふやなぞといふことをうち誦じ給ふ」
*義経記〔室町中か〕五・忠信吉野山の合戦の事「草摺を臥木のつのに引掛けて、真逆様にどうど転び」
*唱歌・かたつむり(文部省唱歌)〔1911〕「でんでん虫々かたつむり、お前のあたまはどこにある、角(ツノ)だせ槍だせあたまだせ」
 
③冠の巾子(こじ)と髻(もとどり)をつき通すもの。かんざし。
*元和本下学集〔1617〕「角 ツノ 冠」
 
④「つのぶえ(角笛)」の略。
*今昔物語集〔1120頃か〕六・九「酉時に至て、皷打ち、角を吹く」
 
⑤(その形相が角をはやした鬼に似るところから)女の嫉妬。また、怒り。いきどおり。
*浄瑠璃・丹波与作待夜の小室節〔1707頃〕中「旦那殿の苦い顔は日比生へたつのにまたがさかふぞなふ怖や」
*雑俳・柳多留‐初〔1765〕「大名は一年置に角をもぎ」
*俳諧・おらが春〔1819〕「さすがのまま母の角もほっきり折て、それより我うめる子とへだてなくはごくみけるとなん」
 
⑥釣漁具の一つ。烏賊(いか)・鰹(かつお)などを釣る時に用いる、鹿・牛・山羊の角や牛馬の蹄(ひづめ)などでつくった擬餌針。

《スポンサードリンク》
 



数え方人気 [TOP50]ビジネス文書数え方
季節用語の数え方名数一覧(1~100)