*はじめに
かつて、1970年代頃には大ブームだったボウリング。
プレイをするまで1時間以上も順番待ちすることさえも日常的だったそうです。
最近では、一時に比べてボウリング場の数も激減しましたが、仲間とワイワイしながら手軽に楽しめるレジャーを兼ねたスポーツとして最適です。
「ボールを並んだピンに向けて転がし、倒した本数を競う。」
そんなシンプルなゲーム性こそが手軽さを感じさせるのでしょう。
尚、ボウリングで使用する「レーン」の長さは、投球する際の「ファウルライン」から1番ピンまでの距離は、18.29mです。
この点、プロ野球のピッチャープレートからホームベースまでが18.44mなので、殆ど似たような距離に相当します。
因みに、「ボーリング」か、それとも「ボウリング」なのか少々悩んでしまうところですが、英語表記では「Bowling」となっていて、温泉などを掘る際のボーリング(Boring)と区別することを考えると、「ボウリング」と日本語表記した方が適切なのかもしれません。
*ボウリングの大前提
前述のとおり、とても手軽に楽しめるボウリングですが、実際には、スコアの記録方法も解らない人が多いかもしれません。
最近のボウリング場では、スコア記録などをコンピューター管理で自動に行って、モニター画面に表示しているところが殆どで、かつてのようにスコア用紙に手書きで記録してゆくこともありません。
しかし、スコアの見方さえも解らなければ、ゲームを進めてゆく上で折角のゲーム性など魅力も半減してしまうことでしょう。
単に、ピンを倒した実際の本数のみ記録してゆくだけでは、ボウリングという競技の面白みも無いに等しいかもしれません。
尚、ゲームの大前提は、
- 1ゲームは、10フレーム制である。
- 1フレームでは、「ストライク」以外の場合で2投まで。
- 最終10フレーム目は、2投目が「ストライク」か「スペア」の場合、3投目がある。
ということです。
*ボールを選んでみる
ゲームに使用するボールは、4ポンド(約1.81kg)の子供用から16ポンド(約7.25kg)の成人用で、それぞれのボウリング場に何種類も用意してあります。
その中から、自分の体格や筋力に合わせて使用する重さを決め、予め開いている指穴に利き手の親指、中指、薬指の3本を合わせてキツ過ぎないものを選んでゲームに使用します。
目安として、体重が60kg程度の男性なら12~14ポンド前後のボールを選ぶのが一般的です。体重45kg程度の女性ならば、9~11ポンド前後のボールを選ぶと良いでしょう。
勿論、マイボールを手に入れて、自分なりの投げやすさなどを追求しても良いと思います。
因みに、プロボウラーなどは、1つの試合で2~3個のマイボールを場面に応じて使い分けたりしているようです。
*スコアの記入・実践編
ボウリングは、各フレームの枠内下段に記入した数の合計を競います。
また、ボウリングは、プレイを楽しみながらスコア記録のルールを覚える方が賢明かもしれません。
ボールの投球は、くれぐれも野球のピッチャーのように上から投げず、レーンを転がすようにします。
以下、具体的なスコア記入方法について解説します。
先ずは、第1フレームの1投目を投球してみることにします。
そこで例えば、この1投目で5本のピンを倒した場合、スコア表の第1フレーム枠内左上側に「5」と記入して2投目を投球します。
2投目の投球で倒したピンの数は、枠内右の四角内に記入し、このフレームの合計本数を枠内下段に記入します。
この場合、2投目で残った全てのピンを倒すと、「スペア」として枠内右の四角内に「/」印の右下を黒く塗りつぶした印を付けます。
スペアの場合、枠内下段には合計本数を記入せずに次のフレーム1投目へ移行します。
尚、1投目で10本のピン全てを倒した場合は、「ストライク」として枠内右の四角内に「×」印の左右を黒く塗りつぶした印を付けます。
ストライクの場合、このフレームでの2投目は無く、枠内下段に合計本数を記入せずに次のフレーム1投目へ移行します。
*「スペア」で高得点にする
各フレームで「スペア」だった場合、次フレーム1投目の本数を加算してスペアだったフレーム枠内下段に記入します。
記入した本数には、次フレームの2投目までの合計本数を加算し、2投目が終わったフレーム枠内下段に記入します。
つまり、第1フレームでスペアだった場合、第2フレームの1投目が5本だとすると、第1フレーム枠内下段に「15」と記入し、第2フレームの2投目が3本だった場合、第2フレーム枠内下段に「23」と記入します。
またこの時、第2フレームがスペアになった場合は、第1フレーム枠内下段に「15」と記入した後、第3フレームの1投目が終わるまで第2フレーム枠内下段には記入を待ちます。
更に、次のフレームでの1投目でストライクだった場合は、スペアだったフレームの枠内下段に「20」と記すことになります。
*「ストライク」は更に高得点
各フレームで「ストライク」になると、次のフレーム2投目までの合計本数を加算してストライクだったフレーム枠内下段に記入し、その本数と2投目が終わったフレームの本数を加算して、2投目が終わったフレーム枠内下段に記入します。
つまり、第1フレームがストライクで、第2フレームの合計本数が8本の場合、第1フレームの枠内下段に「18」と記入し、併せて第2フレームの枠内下段には8本分を加えた「26」と記入します。
但し、この場合の第2フレームがストライクだった場合、第1フレームと第2フレームの枠内下段の本数記入は、次のフレームの投球が終わるまで待ちます。
*ストライク連続でスコアが飛躍
前述のように、第1フレームと第2フレームが連続してストライクだった場合(「ダブル」という)の各フレーム枠内下段への記入については、第3フレームの投球がすべて終わるまで待つことになります。
ここで例えば、第3フレームでの2投の合計が7本だった場合。
第1フレーム枠内下段には、ストライク2回分の20本と第3フレームの本数を加算した「27」と記入し、更に第2フレーム枠内下段には、前述のとおりストライク時の記入ルールを参考に17本を加算して「44」と記入し、更に第3フレーム枠内下段には7本を加算した「51」と記入します。
つまり、ストライクが2連続したことで、その次のフレームを合わせた「27本」がボーナスポイントとして加算されたわけです。
このようなストライク連続のスコア計算は、3連続(「ターキー」という)までを基本として、最大で30本分ずつが加算されてゆきます。
つまり、前述の第3フレームがストライクだった場合、第1フレーム枠内下段に「30」と記入した後、第2フレーム枠内下段は第4フレームの投球が終わるのを待って記入することとなります。
ここで、例えば第4フレームが8本だった場合は、第2フレーム枠内下段に前記の30本に28本分を加えて「58」と記入し、第3フレーム枠内下段には18本分を加えて「76」と記入し、更に第4フレーム枠内下段に8本分を加えた「84」と記入する要領となります。
従って、例えば第1フレームから第6フレームまでストライクが連続し、第7フレームが8本という素晴らしい状況があった場合には、第1フレームから第4フレームまで全てに30本分が加算される結果、第4フレームには「120」と記入され、第5フレームには「148」、第6フレームには「166」、および第7フレームには「174」と枠内下段に記入されます。
*「第9フレーム」は競馬の第4コーナーかも?
前述のとおり、ボウリングは1ゲーム10フレーム制であるため、9フレーム目と10フレーム目はゲームにおいての最終段階です。
通常のスコア記録方法に従えば、第9フレームがストライクだった場合、第10フレームでストライクになってもストライクが2連続で終わってしまう、と考えてしまいますが、第10フレームに限っては最大で3投までできるルールになっています。
この点がボウリングのゲーム性での醍醐味です。
つまり、第9フレームにも30本分が加算されるチャンスもあるわけです。
まさに、競馬に例えると最終コーナーの位置取りみたいなもので、第9フレームの結果次第で最終的なスコアも方向づけられるといっても過言ではありません。
*「第10(最終)フレーム」の直線で追い込む
前述のとおり、第10フレームは、最大3投までできる最終のフレームです。
最大3投できるということは、ターキーにするのも可能ということになります。
このフレームがターキーの場合、第9フレーム枠内下段の数に30本分を加えて最終的なスコアとします。
また、第9フレームがストライクだった場合、このフレームがターキーであっても、第9フレーム枠内下段には30本分が加算されるのみになります。
更に、最大で3投できるのは、1投目がストライクの場合か、2投目でスペアの場合に限られます。
2投目でスペアにできなかった場合には、その時点でゲームは終わります。
従って、第10フレームは、競馬の最終直線さながらに最終的なスコアを左右するというわけです。